検診で、悪玉コレステロールが高い、あるいは善玉コレステロールが低いと言われたことはありませんか。また中性脂肪が高い、糖尿病(予備軍も含め)と言われた方はいませんか。これらはすべて、動脈硬化の危険因子であり、放っておくと徐々に動脈硬化が進む危険性があります。喫煙、高血圧、肥満も動脈硬化の危険因子です。該当する方は一度動脈硬化の検査をしてみませんか。
PWVという検査法があります。これは、脈波伝播速度あるいは四肢脈波と呼ばれており、四肢に電極をつけて行う簡単な検査です。心臓の拍動が血管を伝わる速さをみるもので、硬い血管は早く伝わり、しなやかな血管はゆっくり伝わります。柔らかい砂の上を全力で走ることを考えてみてください。ゆっくりしか走れないことがわかります。
その他、足の血管で血圧を測ることにより、両下肢の血管が詰まっていないかどうかもわかります。血管のしなやかさが数字で表されますので、半年に一度検査を受けていただければ、動脈硬化が進んでいるか、あるいは現状維持できているかをチェックすることが可能です。
その他の動脈硬化の検査としては、頸動脈エコーと尿中アルブミン測定があります。頸動脈エコーでは、血管の内側の膜の厚さを測ることにより、動脈硬化の有無を判断します。尿中アルブミンを測定することにより、腎臓の動脈硬化の有無を判定する材料になります。タンパクが出ている場合はすでに動脈硬化がある程度進んでいると考えられます。尿中アルブミンが正常より増えている時期に、適切な治療をすれば腎動脈硬化を早期に予防できる可能性があります。動脈硬化が心配な方は一度御相談ください。
2007.08.23
院長 野村 祐二