病気のお話

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎、ムンプス)

 ムンプスウイルスによって感染する病気です。唾液などでの接触感染や、咳・くしゃみなどでの飛沫感染でうつります。ただし、感染しても症状が現れずに気づかない不顕性感染 も30~35%程あるとされています。

症 状

 2~3週間の潜伏期間(通常16~18日)のあと、片側もしくは両側の耳の下の唾液腺 (耳下腺)の腫れや痛み、発熱などが現れます。顎の下にある顎下腺や舌下腺が腫れることもあります。腫れが強いと「おたふく」のような顔になることから「おたふくかぜ」と呼ばれています。唾液腺の腫れに伴い、食事のときに顎を動かすことが痛くて食べづらくなったり、唾液が出る時に唾液腺に痛みを感じたりすることがあります。2〜3日でピークを迎え、通常1〜2週間で軽快します。
 おたふくかぜは一度感染すれば生涯免疫ができるので、二度感染することはほとんど無いとされています。ただし他のウイルスによる耳下腺炎や、反復性耳下腺炎などもあるため、何度も耳下腺炎を起こすという方は、血液検査でおたふくかぜに対する抗体 (免疫)を調べて判断します。

合併症

①無菌性髄膜炎 : おたふくかぜにかかってから数日後に発症し、高熱や頭痛・嘔吐・けいれんなどが起こります。おたふくかぜにかかった人の100人中1~2人程度は、入院するほどの状態になるとされています。

②難聴 : おたふくかぜにかかってから数日後に、突然片耳が聞こえにくくなります。両側の難聴はまれで、片側の難聴の場合は小児ではその時には気づかれない事も多くなります。発症後すぐに治療すれば改善するケースも幾つか報告されていますが、殆どの場合は有効な治療がありません。おたふくかぜにかかった人の100人~1000人に1人の割合でみられ、年間700人~2300人のムンプス難聴が日本で発生していると推定されています。

③その他 : 脳炎、精巣炎、卵巣炎、膵炎などの種々の合併症を起こす事があります。

治 療

 かかってしまったら、特別な治療法はありません。症状が強ければ、発熱や痛みをやわらげるために解熱鎮痛剤を使って様子を見ていきます。

登園・登校

 学校保健安全法では、耳下腺、顎下腺または舌下腺の腫れが始まってから5日間経過し、かつ全身状態が良好になるまでは出席停止としています。詳しくは受診時にお尋ねください。

予防接種

 かかってしまったら有効な治療法がないことから、ワクチンで事前に予防することが唯一の対抗手段になります。現時点では任意接種となっておりますが、髄膜炎や難聴などの合併症・後遺症を防ぐためにも、1歳になったらぜひ接種しておきたいワクチンです。
 日本では1回接種とされてきましたが、1回の接種だけでは十分な免疫ができない人がいるため、多くの国では2回接種で行なわれています(ワクチンを導入している117カ国中、2回接種が110カ国、1回接種が7カ国)。また、日本小児科学会は5~6才時(麻疹・風疹ワクチンの2回目と同時期)に、ムンプスワクチンの2回目の接種も推奨しています。
 ワクチンの副反応として、接種後3週間前後に一過性の耳下腺腫脹が見られる場合があります(100人中2~3人)。また、ワクチンによる髄膜炎も2000~2500人に一人の割合で発生するとされていますが、ワクチン接種をせずに自然感染した時よりはるかに頻度が低くなります。接種後2~3週頃に気になる症状が現れた場合は、ご相談ください。
 なお、ご家族内でおたふくかぜを発症した時に、急いでワクチンを受けても発症予防は難しいとされています。対象年齢になったら早めのワクチン接種をお勧めします。

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