夜寝てからトイレに目が覚める、なんてことはありませんか?通常、人間は就寝すると朝まで起きないのが常であります。しかし、男性も女性も加齢とともに夜起きるようになる事が多いようです。これを夜間頻尿といいます。原因はさまざまで、何かひとつの事が原因というより、いくつかの事が重なり合っている事が多いようです。男女でも微妙に異なります。
【過活動膀胱】
男性の場合は前立腺肥大症に伴うものが最も多いようでが、女性の場合は骨盤底筋が年齢とともに弱くなることが原因であったりしますが、多くは原因が特定できません。症状としては昼間の頻尿(8回以上)、夜間頻尿(1回以上)のほかに急にトイレに行きたくなり我慢できない感じ(尿意切迫感)や間に合わなくて漏らしそうになる(切迫性尿失禁)などです。
【前立腺肥大症】
女性と同じく過活動膀胱の症状が出ますが、男性の場合は前立腺肥大症が主な原因です。男性の約半数以上で加齢に伴い肥大する傾向があるといわれています。排尿の回数が増える、夜トイレにおきる、排尿が我慢できない、排尿の勢いが弱い、尿が残った感じがする尿の切れが悪いなどの症状が出ます。
いろいろな病気やそれぞれの方の生活環境、生活習慣のよって夜間頻尿は起きます。
いずれにしても、あきらめないで改善できるところから改めていく事が肝要です。主治医と良く相談し、良くならなければ専門医を受診しましょう。
2011.4.15
日本泌尿器科学会認定専門医
伊藤 貴章